インターネットを利用しているとよく聞く「IPアドレス」。実はIPアドレスにはとても重要な役割があります。
今回は、IPアドレスの意味とその役割を解説していきたいと思います。
IPアドレスは、インターネット上での住所の役割
IPアドレスは、パソコンやスマートフォンなど、ネットワークに接続する機器に割り当てられた番号のことです。つまり、インターネット上の住所のような存在で、IPアドレスによってインターネット接続に使っているプロバイダーの名称や、世界のどの地域から接続しているかなど、個々の端末が判別されています。
たとえば、メールのやり取りなどで通信相手を指定することができるのは、IPアドレスがあるおかげです。
IPアドレスは数字で表記される
それでは、実際にIPアドレスがどのようなものなのかを確認してみましょう。
現在使用されているIPアドレスには「IPv4アドレス」と「IPv6アドレス」があり、IPv4アドレスは32ビットを8ビットずつ4つにドットで区切った数値の列で表記されます。
123.123.123.12 |
みなさん、どこかで見たことはありませんか?
数字で分かりづらい、と思われるかもしれませんが、実はこれでも認識しやすいように表記されています。
コンピュータは本来、IPアドレスを32桁の2進数で扱っていますが、人が分かりやすいように10進数に変換されています。
ちなみに、2進数だとこのような感じです。
12312312312312312312312312312312 |
IPv4アドレスでは、約43億通りものIPアドレスを作成可能ですが、世界中でインターネットが使用されることが増えたため、IPアドレスが足りなくなる危険性が出てきました。
そこで、新たに登場したのがIPv6です。IPv6アドレスは、128ビットを16ビットずつ8つにコロンで区切った16進数で表記されます。
1234: 1234: 1234: 1234: 1234: 1234: 1234: 1234: |
約340潤(かん)個のアドレスを作成できますので、余程のことがない限りはIPアドレスが不足する事態に陥ることは無いようです。
ですが、残念ながら2024年現在では、IPv6アドレスが普及しているとはまだまだ言い難い状況です。そのため、現状ではIPv4のIPアドレスを目にする機会が多いでしょう。
IPアドレスを確認する方法
IPアドレスは、ネットワークに接続するすべての端末に割り振られているため、今このサイトを見るために使用しているあなたの機器にも、もちろんIPアドレスは割り振られています。
それでは、自分のIPアドレスはどのように確認すれば良いか、以下一例を挙げてみます。
windows pcの場合
- コマンドプロンプトウィンドウを開く(windowsキー+X)
- 表示された一覧から「ネットワーク接続」を選択
- 「アダプターのオプションを変更する」を選択
- IPアドレスを確認したい接続アイコンの上で右クリックし、「状態」を選択
- 中央付近にある「詳細」を選択
- 表示された一覧からIPアドレスを確認できます(例:IPv4)
mac pcの場合
- システム環境設定を開き、「ネットワーク」アイコンを選択
- 接続済みのネットワークからIPアドレスを確認したいアイコンをクリック
- 表示された一覧からIPアドレスを確認できます※wi-fiの場合は4以降もご確認ください
- 【wi-fiの場合】「詳細」を選択
- 【wi-fiの場合】左一覧から「TCP/IP」を選択
- 【wi-fiの場合】表示された一覧からIPアドレスを確認できます
iPhoneの場合
- 「設定」を選択
- 「Wi-Fi]を選択
- 接続済みのSSID名の右側にある「!」マークを選択
- 表示された一覧からIPアドレスを確認できます
IPv4アドレスには種類がある
現在主流で使われているIPv4アドレスには、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスという2種類があります。
以下はそれぞれの特徴をまとめたものです。
グローバルIPアドレス | ・世界で通用するひとつだけのアドレス ・インターネットに接続しているコンピュータに割り当てられる |
プライベートIPアドレス | ・自宅や会社など特定のネットワークの範囲内で用いられるアドレス ・インターネット上では使用できない ・個々のネットワーク内で識別できれば良いため、ネットワークが異なる場合は重複したアドレスでも問題ない |
どちらの種類においても、通信機器の居場所を明示する識別番号であることに変わりありませんが、グローバルIPアドレスは世界でデータをやり取りする際に使われ、プライべートIPアドレスは自宅や社内などの限られたエリアの中で使用されます。
この2つのIPアドレスの関係性は、以下の図のようになります。
1つのルーターを複数人または複数台の機器で使用する場合、ルーターにグローバルIPアドレスが割り振られ、そこに接続する機器にはプライベートIPアドレスが設定されます。つまりプライベートIPアドレスは、単体ではインターネットに接続することができませんが、内線の電話番号のような役割をしています。
IPアドレスで個人は特定されるのか?
グローバルIPアドレスは、世界中で重複することなく割り当てられる識別番号であることから、IPアドレスから個人を特定することができるのではないかという不安があります。
しかし、IPアドレスから個人情報や住所を特定することはできません。
IPアドレスをユーザーに割り振るインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)には、個人情報保護法が適用されており、IPアドレスから個人情報を取得するためには、発信者情報開示請求という法的な手続きが必要になります。
よって、IPアドレスを知られたことによって情報漏洩が起こるということはありませんが、グローバルIPアドレスは国ごとに割り当てられているため、国や地域までは推定できる場合があります。
また、IPアドレスを追跡することによって個人は特定されなくとも、ネットでの行動が把握されるというケースも起こり得ます。
まとめ
普段何気なく使用していますが、IPアドレスはインターネットを利用する上で必要で、あらゆる機器に割り当てられています。
約43億通り作れるIPアドレスが枯渇するほど普及した世の中だからこそ、安全に楽しくネットワークの世界を楽しめるよう、ぜひ頭の片隅にIPアドレスの存在を理解しておいてもらえると嬉しいです。